不採択通知には、点数も理由も書かれていません。
公募要領を読み解くと、不採択になりがちな計画書には共通の傾向が見えてきます。
持続化補助金の不採択通知には、点数も理由も書かれていません。「不採択でした」という事実だけが届きます。 このため、何が悪かったのかを自力で突き止めるのが難しく、原因の分からないまま再申請に向かう経営者も少なくありません。
ただ、公募要領の評価項目を踏まえて不採択になりがちな計画書を観察していくと、減点される箇所には一定の傾向があります。多くの場合、致命的な1つの問題ではなく、小さな減点が複数積み重なって合格点に届かないという構造です。
本記事では、公募要領を筆者なりに読み解いて整理した「不採択になりやすい10パターン」と、再申請で逆転するためのチェックリストをまとめます。
※ 本記事の整理は、執筆時点の公募要領の評価項目(経営方針の的確性/補助事業計画の有効性/積算の透明性 ほか)を筆者が読み解いたものです。公募回ごとに評価項目や配点が更新される場合がありますので、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。
最もよく見かけるパターンです。「品質に自信があります」「丁寧な接客が強み」「お客様への真心」──こうした定性表現だけだと、審査側は他社との違いを判定できません。数字に置き換えられる強み(リピート率/紹介比率/施工件数/契約継続年数など)に翻訳して書く必要があります。
「来期売上1,500万円」「3年後に売上2倍」のような結論だけが書かれていて、その数字に至るまでの内訳がない計画書は、評価で不利になります。「主要顧客◯社×単価◯円×月◯件+新規◯件」のようなボトムアップの数字が並んでいるかが鍵です。
「補助金で設備を買って売ります」「補助金でHPを作って集客します」だけで終わっている計画書は、「補助金が切れた瞬間に終わる事業」として見られがちです。書きたいのは、補助事業を起点にビジネスモデルがどう変わって、その後も売上が立ち続けるかです。
強みだけを並べて、弱みのセクションが空欄か「特になし」になっている計画書は、自己分析ができていないと判定される傾向があります。弱みを正直に書き、それを補う打ち手として補助事業を位置付けると、ロジックが綺麗に通ります。
「自社の強み」だけを書いて、競合や市場環境への言及がない計画書も、点数が伸びにくくなります。競合と比較したときの自社の立ち位置を、少しでも触れておくことが大切です。
「広告を出します」「HPを作ります」だけで、その先(問い合わせ何件→成約率→売上)が書かれていないケースです。広告 → 問い合わせ → 成約 → 売上という流れが数字で繋がっているかを、必ず確認してください。
事業計画では「新規顧客10倍」を掲げているのに、経費に販促費が含まれていない。逆に、経費で高額機械を計上しているのに、事業計画では旧来商品の売上維持しか触れていない──こうした不整合は、「計画と経費が結びついていない」として減点対象になります。
年商500万円の事業者が、補助金で200万円規模の設備投資を計画している──というように、今の事業規模に対して補助事業が大きすぎる/小さすぎるケース。審査側は「本当に実行できるのか」「本当に必要なのか」を疑います。事業規模に見合った投資計画かを、客観的に見直す必要があります。
公募要領で「記載必須」とされている項目(補助事業の名称・実施内容・効果測定の方法など)が抜けていたり、補助対象経費の区分(広報費/ウェブサイト関連費/機械装置等費 など)を誤って計上していたりするケースです。これは形式チェックで一発で減点されるので、提出前に公募要領のチェックリストと突き合わせる工程を必ず入れてください。
確認書は、商工会・商工会議所の経営指導員が計画書を見て発行するものです。本来は、計画書を相談しながら磨いて発行してもらうべきものですが、締切直前に申請者が一方的に持ち込んで形式的に発行されているケースが見受けられます。これは申請書全体の質にも影響します。確認書を仕上げの工程に組み込むことで、計画書の質が一段上がります。
不採択通知には理由が書かれていないので、まず自力で原因を推定する必要があります。 おすすめの手順は次の通りです。
再申請にあたって、必ず確認したいポイントです。
このチェックリストを通すだけでも、再申請時の計画書はかなり整います。
不採択は、ひとつの大きなミスで起きるよりも、小さな減点が積み重なって合格点に届かないケースが多くなります。 逆に言えば、減点パターンを潰していけば、採択の可能性は段階的に高めていけます。
当事務所では、不採択通知が届いた計画書のレビュー、弱かった箇所のピンポイント修正、再申請のための章立て再設計、商工会・商工会議所への相談同行、jGrantsでの再申請代行まで、一通りお手伝いしています。 「次回こそ採択を取りたい」という方は、不採択通知が届いた段階でご相談いただくと、次回公募までの準備期間を有効に使えます。
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