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国土戦略行政書士事務所
KOKUDO STRATEGY LEGAL OFFICE
COLUMN / SUBSIDY

持続化補助金で
採択される事業計画書は、
5つの問いに先回りで答えている

持続化補助金の審査は、公募要領の評価項目に沿って進められます。
評価項目を読み解き、対応する答えを計画書側に先回りで配置しておくことが、採択の可能性を高めるコツです。

持続化補助金 事業計画書 採択率向上

採択率は公募回によって変動する。落ち方には傾向がある

小規模事業者持続化補助金の採択率は、公募回や枠によって大きく異なり、近年は20%台〜60%台の幅で推移しています。最新の採択率は事務局(全国商工会連合会・日本商工会議所)の公表データで確認してください。

ただし、不採択になった計画書には落とし方に共通の傾向があります。 審査は公募要領で示された評価項目に、計画書のどの部分が対応しているかを確認していく作業ですから、評価項目を意識せずに書かれた計画書は、同じような箇所で点数を落とすことになります。

逆に言えば、採択の可能性を高めるコツはシンプルで、評価項目で問われていることに、計画書側から先回りで答えておくこと。本記事では、公募要領の評価項目を整理して「審査員が知りたい5つの問い」として再構成し、それに答える書き方を解説します。

※ 本記事の整理は、執筆時点の公募要領の評価項目(経営方針の的確性/補助事業計画の有効性/積算の透明性 ほか)を筆者が読み解いたものです。公募回ごとに評価項目や配点が更新される場合がありますので、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください

公募要領を読み解くと見えてくる「5つの問い」

公募要領の評価項目を、申請者が答えるべき問いの形に置き換えると、次の5つに整理できます(あくまで筆者の整理です)。

5つの問いと、計画書の章立ての対応関係 審査員の5つの問い 問1 事業者の存在意義は? 問2 強み・弱みを自分の言葉で? 問3 販路開拓は本当に売上に繋がる? 問4 補助事業後も効果は続く? 問5 金額は事業に対して適切? 先回りで答える章立て 章1 事業者概要・地域での役割 章2 経営状況と強み・弱み(数字) 章3・4 補助事業の内容と売上計画 章5 補助事業後の継続性・成長 章6 経費明細と妥当性の説明
図1:審査員が探したい答えを、章立てとして先に並べる

問い1:その事業者は、なぜ存在意義があるのか

「経営状況」のセクションで問われている本質はこれです。 売上推移や財務状況の数字だけでなく、「この事業者が地域や顧客に対してどんな価値を出してきたのか」を見ています。 創業間もない事業者でも、「これから出したい価値」を具体的に書けば加点されます。

問い2:自社の強み・弱みを、自分の言葉で言えているか

定型句で「品質に自信があります」「丁寧な接客が強み」と書いても、評価には繋がりにくくなります。 評価につながりやすいのは、測定可能な強みです。たとえば次のようなイメージです(数字は書き方のサンプルです)。

  • (例)リピート率72%(同業平均40%)
  • (例)1顧客あたり平均接客時間30分(競合は10分)
  • (例)取引先からの紹介比率45%

このように、数字で語れる強みが並んでいると、審査員から見て「現状把握ができている」と読み取りやすくなります。

問い3:その「販路開拓」は、本当に売上に繋がるのか

持続化補助金は「販路開拓・業務効率化」のための補助金です。 ここで多いのが、「広告を出します」「ホームページを作ります」だけで終わる書き方。これでは販路開拓のロジックが立ちません。

計画書に必要なのは、次のような数字の積み上げです。

「販路開拓」が点数になるための数字の積み上げ 広告 月◯万円投下 媒体・期間を特定 問い合わせ 月◯件 過去実績ベース 成約 成約率◯% 月◯件 売上 単価◯円×件数 月◯万円増 どこか1か所でも数字が抜けていると、チェーン全体が説得力を失う
図2:販路開拓のロジックは「広告→問い合わせ→成約→売上」のチェーンで示す

問い4:補助事業が終わった後も、その効果は続くのか

これが、見落とされやすい大きな採点項目です。 「補助金で買った設備を使って売ります」だけでは、補助金が切れた瞬間に終わる事業に見えます。

書きたいのは、補助事業を起点に、自社のビジネスモデルがどう変わるかです。 新しい顧客層を獲得することで継続的な売上が立つ/業務効率化で生まれた時間を別の事業に振り向ける/販路が広がることで仕入れ条件が改善する──こうした継続的な変化を描けると、評価につながりやすくなります。

問い5:その金額は、事業に対して適切か

最後に、補助対象経費の妥当性です。 「ホームページ制作費80万円」と書くなら、なぜ80万円なのか(複数業者の見積比較/制作内容の内訳/類似事例の相場)を補足できると説得力が出ます。 相場と乖離した経費は減額の対象になることがあり、根拠の薄い経費は評価で不利に働くことがあります。

「補助対象経費」と「事業計画」の整合を取る

採点項目とは別に、形式チェックで落ちる計画書もあります。最も多いのが、経費明細と事業計画の不整合です。

事業計画と経費明細の「整合チェック」 事業計画 「新規顧客10倍を目指す」 「広告で月100件問い合わせ」 「リピート率向上策」 ↑ 言っていること 経費明細 広告費 ◯万円 HP制作費 ◯万円 顧客管理ツール ◯万円 ↑ お金を使うこと 辻褄 「広告で◯件」と書いたなら、経費にも「広告費◯万円」が並んでいる
図3:事業計画と経費明細を並べて、双方が同じ物語を語っているか確認する

たとえば、

  • 事業計画では「新規顧客10倍」を打ち出しているのに、経費には販促費が含まれていない
  • 経費で大型機械を購入する計画なのに、事業計画では旧来商品の売上維持しか触れていない

こうした不整合があると、「計画と経費が結びついていない」として減点されます。 事業計画書を書き終えたら、経費明細表と並べて、お互いに辻褄が合っているかチェックする工程を必ず入れてください。

商工会・商工会議所の「確認書」を活かす

持続化補助金は、申請にあたって商工会・商工会議所からの確認書が必要です。 ここを単なる事務手続きと思わず、確認書をもらう過程で計画書をブラッシュアップする機会として使うのがおすすめです。

商工会・商工会議所には、持続化補助金の申請に詳しい経営指導員がいることが多いです。 1〜2回相談に行くだけでも、計画書の弱点が見えてくることがあります。確認書発行の依頼は、計画書の8割が完成した段階で行うと、修正提案を取り込んで仕上げに使えます。

まとめ

① 事業者の存在意義創業経緯・地域での役割を具体的に
② 強み・弱みの自己分析測定可能な数字で語る
③ 販路開拓のロジック広告 → 問い合わせ → 成約 → 売上のチェーン
④ 補助事業後の継続性ビジネスモデルの変化を描く
⑤ 経費の妥当性見積根拠を補足する
形式チェック経費明細と事業計画の整合
確認書仕上げ段階での相談で点数を上げる

持続化補助金は、書き方の構造を理解しておくと、採択の可能性を高めやすくなります。 逆に、これらの項目をスルーしたまま勢いで書くと、いくら良い事業でも評価で不利になることがあります。

当事務所では、5つの問いに沿った計画書の骨子作り、数字の積み上げサポート、商工会・商工会議所への相談同行、経費明細との整合チェック、jGrantsでの電子申請代行まで、一通りお手伝いしています。 申請を考えている方は、公募締切の2ヶ月前までにはご相談いただくと、計画書をじっくり仕上げる時間が取れます。

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