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国土戦略行政書士事務所
KOKUDO STRATEGY LEGAL OFFICE
COLUMN / FINANCING

店舗を出す前にやるべきことは、
お金集めよりも「逆算カレンダー」

物件契約と同時にスタートすると、ほぼ間に合いません。
物件・お金・許可の3本を、オープン日から逆算して並べることが、店舗開業の本当のスタートです。

店舗開業 創業融資 許可取得

「物件が出てから動く」と、ほぼ間に合わない

店舗を構えるビジネスを考えている方から、こんな相談をいただくことがあります。

「いい物件が出たので、明日にも契約したいです。お金の話と、許可の話を急いで進めてもらえませんか」

正直に言うと、この時点で相談に来られるともう打てる手が半分以下になります。物件契約のスタートと開業準備のスタートが同じだと、家賃だけが先に発生していき、内装も許可も融資も、すべてが追いつかない状態で開業日を迎えることになるからです。

店舗ビジネスは「物件ありき」で動き出すと、ほぼ確実にお金で苦しみます。 本当のスタート地点は、「いつ、どんな店をオープンするか」を決めて、そこから逆算してカレンダーを引くことです。

× 物件契約から動くケース 物件契約 家賃発生中(売上ゼロのまま支払い) 内装・許可・融資が同時進行で逼迫 ○ 逆算カレンダーから動くケース 準備期間(融資・許可・物件選定) 物件契約 内装→許可下りる→オープン 家賃発生は短期間で済み、お金の余裕も確保できる
図1:動き出すタイミングが、開業時の資金繰りを左右する

開業日から逆算する、というだけの話

逆算カレンダーといっても、複雑なものではありません。「オープン日」を1日決めてしまえば、あとはそこから戻すように、必要なタスクを並べていくだけです。

たとえば「来年4月1日にオープンしたい」と決めたら、次のようなイメージになります。

6ヶ月前 5ヶ月前 4ヶ月前 3ヶ月前 2ヶ月前 1ヶ月前 オープン ① 物件 ② お金 ③ 許可 物件選定・条件絞り込み 契約 内装工事 事業計画・必要資金の試算 金融機関相談・申込 面談・融資実行 必要な許可の確認 許可申請の準備・申請 許可下りる OPEN 3本のスケジュールを並べて見えるようにするだけで、抜け落ちが激減する
図2:6ヶ月前から動き出す逆算カレンダーの例

このカレンダーが頭に入っていると、「いい物件が出たから動く」のではなく、「3月までに引き渡してくれる物件を探す」という探し方に変わります。これだけで、選択肢の幅と精神的な余裕がまったく違ってきます。

なぜ3本を同時に動かす必要があるのか

店舗ビジネスでは、開業前に3つの別々の仕事を同時並行で進める必要があります。

  • 物件をおさえる仕事──申込から契約まで2〜3週間、内装工事を含めると引き渡しから1〜2ヶ月
  • お金を引っ張る仕事──日本政策金融公庫の創業融資や、信用保証協会付きの民間銀行融資は、相談から実行まで1〜2ヶ月
  • 開業の許可を取る仕事──飲食店なら保健所で2〜3週間、宿泊業の旅館業許可なら2〜3ヶ月、建設業許可なら30〜60日

この3つはまったく別の窓口で進行するので、誰かが全体をつなげて見ていないと、必ずどこかでズレが起きます。物件は契約済み、内装も終わった、でも保健所の許可が下りていない──そんな状態でも家賃は容赦なく毎月発生します。

逆算カレンダーは、この3本をひとつの紙に並べるためにあります。

開業に必要なお金の「総量」を、最初に見える化する

逆算カレンダーを引く前に、もうひとつやっておきたいことがあります。「開業までにいくらかかるのか」をざっくり書き出すことです。

小規模飲食店の開業費用イメージ(合計 約1,000万円) 物件取得 100〜300万 内装工事 300〜800万 設備・什器 100〜300万 広告 30〜80 運転資金 200〜500万 ↑ 開業時に「先に出る」お金 ←ここを忘れると3ヶ月目に資金ショート 業種・立地によっては合計が2倍以上になることも珍しくない。 運転資金(最低3〜6ヶ月分の家賃・人件費・仕入れ)を含めた総額で考えること。
図3:開業費用の典型的な内訳(小規模飲食店の例)

ここでよくある誤解が、「内装と設備さえ揃えばオープンできる」という思い込みです。 店舗ビジネスは、お客さんがついて売上が安定するまでに数ヶ月かかります。その間も家賃・人件費・仕入れは出ていくので、運転資金を含めた金額で考えないと、開業3ヶ月目に資金ショートします。

自己資金は「金額」と「貯め方」がセットで見られる

総額が見えたら、次は自己資金です。金融機関が一つの目安としているのが、総事業費の20%程度。1,000万円の事業なら200万円というイメージです。

ただし、ここで見られているのは金額そのものより、「どうやってその金額にたどり着いたか」のほうです。

  • 数年かけて毎月積み立ててきた200万円
  • 親から借りてきた200万円
  • 数ヶ月前にまとめて口座に入った200万円

通帳を見れば、どれがどれかは一目瞭然です。前者なら「計画的にこの事業を考えてきた人」と評価されますが、後者2つは「本人のお金じゃない」「本気度が読めない」と判断されることが多くなります。

自己資金は、金額を作ることと同じくらい、「説明できる貯め方をしておくこと」が大事です。

融資は「1本で全部」ではなく、組み合わせで考える

必要なお金が500万円を超えてくると、1つの融資制度でまかなうのは難しくなります。よく使われるのは、次の組み合わせです。

日本政策金融公庫の創業融資国の機関。創業者にも話を聞いてもらいやすく、担保・保証人不要の制度あり
信用保証協会の保証付き融資地元の民間銀行から借りる際に、保証協会が保証してくれる仕組み。将来の取引銀行との関係づくりにも◎
小規模事業者持続化補助金など条件に合えば追加でもらえるが、入金は数ヶ月〜1年先になる
自己資金金額と貯め方のセットで「本気度」の証になる

このうち、補助金は採択されてもお金が口座に入るのは数ヶ月〜1年先になることが多いので、補助金をあてにしてキャッシュフローを組むのは危険です。補助金は「もらえたらラッキー」くらいの扱いで、ベースは融資と自己資金で固めるのが現実的です。

まとめ

動き出すタイミング「物件が出てから」ではなく「オープン日を決めてから」
同時に動かす3本① 物件 ② お金 ③ 許可
準備期間の目安オープン3〜6ヶ月前から
お金の総量運転資金(3〜6ヶ月分)を含めて試算する
自己資金金額(総事業費の20%目安)+ 貯め方の説明
融資戦略公庫+保証協会の2本立てが基本、補助金は当てにしない

当事務所では、店舗ビジネスの開業準備について、

  • 逆算カレンダーを一緒に引くところから
  • 事業計画書の作成(融資・補助金の両方に使える形)
  • 公庫・地元銀行への融資相談の同行
  • 業種ごとに必要な許可申請の代行
  • 物件・お金・許可の3本のスケジュール管理

までを一通りお手伝いしています。 「いい物件が出たから相談」ではなく、「お店を出したいと思った日」にご相談いただくと、選べる打ち手がぐっと広がります。

「店を出したい」と
思ったその日に

逆算カレンダーを一緒に引くところから、開業日までの段取り一切をお手伝いします。
物件契約の前に動き出すと、選べる打ち手がぐっと広がります。初回相談は無料です。

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